犬の夏は、肌トラブルの季節。
なぜ、暑さと湿気が皮膚の負担になるのか
こんにちは。PONKOHAです。
毎年、夏になると、
「なんとなく耳をかく回数が増えた」
「足の間を舐めてることが多い気がする」
そんな“いつもとちがう仕草”に、
気づくことはありませんか?
それ、じつは――
皮膚がSOSを出しているサインかもしれません。
🌡️ 高温多湿は、皮膚にとってストレス環境
人にとっても蒸し暑さはつらいもの。
でも、被毛に覆われた犬たちにとっては、
もっと深刻な負担になります。
では、なぜ「暑さ」と「湿気」は、
犬の皮膚にとって危険なのでしょうか?
🌀 理由① “蒸れ”が雑菌を育てる
密な被毛、とくに下毛がある犬は、
通気性がとても悪くなりがちです。
そこに湿気と熱が加わると――
皮膚は蒸れて、熱がこもり、
雑菌や真菌が繁殖しやすい状態に。
特に、耳の中・足の指の間・わき・内股などの
“皮膚が重なる場所”は要注意です。
💧 理由② 皮脂が増えて、毛穴がつまりやすくなる
暑くなると皮脂腺が活発になり、
皮膚はベタつきやすくなります。
そこにホコリや花粉、フケ、汚れが重なると――
毛穴がつまり、炎症やかゆみの原因に。
触ったときに「ちょっとベタついてるな」
と感じたら、それはもう黄色信号かもしれません。
🌬 理由③ 通気が悪く、皮膚が敏感になる
犬は、人のように汗をかいて体温調節ができません。
だから、皮膚に熱がこもりやすくなります。
結果、ほんの少しの刺激でも
赤みやかゆみに反応しやすくなる――
つまり“敏感肌”になりやすいのが、夏。
🐾 「元気そうだから大丈夫」じゃない。
犬たちは、不快感を言葉で伝えられません。
だからこそ、
「耳をかく仕草が増えた気がする」
「足を舐める時間が長い」
そんな、ほんの少しの変化に
気づいてあげることが、
いちばんやさしいケアです。
📘 まとめ|犬の皮膚は、夏にこそ繊細になる
- 暑さ+湿気 → 蒸れ → 雑菌・真菌の繁殖
- 皮脂の増加 → ベタつき・毛穴づまり
- 熱がこもる → 敏感になりやすい皮膚に
これが「夏は皮膚トラブルが増える」と言われる理由です。
いつもの仕草が、
ちょっと気になったら――
それはきっと、
「今、気づいてほしい」っていうサイン。
静かな声に、そっと耳をすませてあげてください。
🔍 参考文献・エビデンス
本記事は、以下の獣医学的資料・臨床研究をもとに構成しています。
- 日本獣医皮膚科学会(2023)
「高温多湿環境における犬の皮膚トラブルとその予防」 - Vet Dermatology Journal, Vol.16, Issue 3(2005)
“Malassezia overgrowth in humid conditions” - The Veterinary Journal, Vol.168, Issue 2(2004)
“Thermal stress and skin barrier reactivity in canines” - Journal of Small Animal Practice(2017)
“Canine seborrhea and management strategies” - Compendium: Continuing Education for Veterinarians(2009)
“Anatomy of canine thermoregulation” - 動物臨床医学会年次大会 抄録集(近年号)
「脂漏症と外耳炎の関係性」